← ホームに戻る
VRヘッドセット非依存の全身トラッキング機材の比較調査
VRChat等のアプリケーションで全身トラッキング(フルボディトラッキング)を実現するための、VRヘッドセットに依存しない機材について詳細に調査・比較しました。
調査日: 2025年1月
対象: VRヘッドセット非依存で使用可能な全身トラッキングシステム
比較表
製品名 |
価格 |
トラッキング方式 |
センサー数 |
動作時間 |
精度 |
初心者向け |
Sony mocopi |
約49,500円 |
IMU 6軸 |
6個 |
- |
★★★☆☆ |
★★★★★ |
HaritoraX 2 |
約39,999円 |
IMU 9軸 |
6個 |
長時間 |
★★★★☆ |
★★★★☆ |
Uni-motion |
33,980~39,800円 |
IMU 9軸 |
5~6個 |
24時間以上 |
★★★★☆ |
★★★★☆ |
SlimeVR |
20,000~30,000円 |
IMU |
5~10個 |
- |
★★★☆☆ |
★★☆☆☆ |
Lighthouse方式 |
100,000円以上 |
光学式 |
3個以上 |
- |
★★★★★ |
★★★☆☆ |
各製品の詳細
Sonyが開発したモバイル向けモーションキャプチャシステム。スマートフォンと連携して使用。
公式サイト: Sony mocopi公式
トラッキング方式: 慣性(IMU方式, 6軸)
センサー数: 6個(頭・腰・手足)
対応環境: スマホ(Android/iOS)、PC連携可
特徴: 完全ワイヤレス、小型軽量
メリット
- セットアップが非常に簡単
- 専用ケースで持ち運び便利
- スマホ完結型で場所を選ばない
- 手軽さとコストパフォーマンス
デメリット
- IMU方式のため長時間使用でドリフト発生
- PC VRとの連携に制限
- 精度は中程度
- サードパーティ対応が限定的
参考記事: mocopi詳細レビュー | mocopi VRChat対応情報
パナソニック系列のShiftall社製。小型・長時間駆動・高安定性を実現した最新モデル。
公式サイト: HaritoraX 2公式
トラッキング方式: 慣性(IMU方式, 9軸)
センサー数: 6個(腰・胸・両腿・両すね)
対応環境: PC(Windows)、Bluetooth/ドングル
拡張: 肘用センサー(別売13,900円)
メリット
- 9軸IMUで高精度トラッキング
- 長時間バッテリー駆動
- 専用アプリが使いやすい
- 肘センサーで腕の曲げ伸ばしも可能
- 初心者にも優しい設計
デメリット
- 定期的なキャリブレーションが必要
- IMU特有のドリフト問題
- 価格がやや高め
参考: HaritoraX Wireless(旧モデル)情報
日本の有志チームによる開発。ベースステーション不要で導入しやすく価格も手頃。
公式サイト: Uni-motion公式
トラッキング方式: 慣性(IMU方式, 9軸)
センサー数: 5~6個
動作時間: 24時間以上(単三電池)
受信機: Uni-station付属
メリット
- 価格と性能のバランスが良好
- 24時間以上の長時間動作
- 安定した接続性
- 日本製で安心のサポート
デメリット
- 乾電池式でランニングコスト発生
- 電池交換の手間
- IMU特有のドリフト問題
参考記事: Uni-motionレビュー | HaritoraX vs Uni-motion比較
オープンソースのDIYトラッキングシステム。カスタマイズ性が高く、コミュニティが活発。
購入先: BOOTH(完成品キット)
トラッキング方式: 慣性(IMU方式)
センサー数: 5~10個(カスタマイズ可)
対応環境: PC(Windows)
特徴: オープンソース、高カスタマイズ性
メリット
- コストパフォーマンスが最高
- トラッキングポイント数を自由に増減
- 活発なコミュニティサポート
- 完成品キットも入手可能
デメリット
- 上級者向け
- トラブル時は自己解決が必要
- 自作の場合は技術的知識が必要
HTCのLighthouse技術を使用した光学式トラッキング。最高精度を誇るプロフェッショナル仕様。
トラッキング方式: 光学式(ベースステーション)
必要機材: トラッカー3個以上+ベースステーション
対応環境: PC(SteamVR対応)
特徴: ドリフトなし、最高精度
メリット
- 追随精度・遅延の少なさが最高
- ドリフトが皆無で長時間使用でも精度維持
- 激しい動きにも完璧に対応
- プロフェッショナル用途に最適
デメリット
- 非常に高価
- 設置スペースとセットアップが必要
- 遮蔽物に弱い
- プレイエリアが限定される
🆕 最新情報:PICO Tracker(2025年1月発表)
2025年1月に発表された新しいトラッキングデバイス。VRヘッドセット非依存で使用可能。
購入先: Amazon
関連情報: プレスリリース | 紹介動画
選び方のポイント
用途別おすすめ
- VTuber活動初心者: HaritoraX 2(最もバランスが良い)
- モバイル配信重視: mocopi(スマホ完結型)
- コスパ重視: Uni-motion(価格と性能のバランス)
- 精度重視・プロ用途: Lighthouse方式(最高精度)
- カスタマイズ重視: SlimeVR(上級者向け)
- 激しいダンス配信: Lighthouse方式が最適
まとめ
VRヘッドセット非依存の全身トラッキング機材は、用途と予算に応じて最適な選択が異なります。
- 初心者・バランス重視: HaritoraX 2がおすすめ
- 予算重視: Uni-motionが高コスパ
- 精度重視: Lighthouse方式一択
- モバイル利用: mocopiが唯一の選択肢
技術の進歩により、IMU方式の精度も大幅に向上しており、多くの用途で十分実用的なレベルに達しています。